1816 - 熱病のような(0517 - 遅すぎる開花)

※この記事は9/13の明け方に書きました

 

無職を極めてきてしまった。もともと夜型人間で、もりもり働いていたころもお休みが2日くらい続くとあっという間に生活リズムがめちゃくちゃになる才能があった。面接のアポがなければ早起きする必要が一切ない生活も2ヶ月を経過し、もう本当に生活リズムがめちゃくちゃになってきている。

お金はないが時間だけが有り余っているため韓国ドラマに手をつけてしまった。スーツをずっとみていて配信されているものは全部見終えてしまい、次に何を見ようとクリップしていたリストをスクロールしていたらコーヒープリンス1号店がアマプラにきていた。

コーヒープリンス1号店をクリップしたのは、前の職場の送別会がきっかけだった。

前の職場には韓国のアーティストや文化がすきなひとがたくさんいてそのひとたちがよく韓国ドラマのDVDやブルーレイを貸し借りしたり、その感想を言い合ったりしているところをよく見かけた。わたしは全く興味がなかったのでその輪には入らずにいたのだが、あるとき、仲良しのOさんに「これはおもしろいから見て!」と言われて「星から来たあなた」のブルーレイを貸された。正直「エッどうしよう」と思った。もともと、ひとからゴリゴリに勧められたものに興味を持てないほうのあまのじゃくで、しかも全く興味のない韓国ドラマである。この「星から来たあなた」はかなり重たい宿題になってしまった。わたしはそのころから映画やドラマは9割型パソコンかiPadで見るようになっており、ブルーレイを見るためにはテレビで見なければいけないという環境もより星から来たあなたを見ることへのハードルを上げた。

というわけで、無理に見てもつらいだけだし、見たいきもちになれたら見ようと思ったのだが、当然見たいきもちになるはずもなく、そうしてズルズル手をつけられないまま数ヶ月が過ぎた。正直、ウィキペディアや感想ブログを読んで大体のストーリーを押さえてこのまま見ずに返すことも考えたが、せっかく貸してくれたのに1話も見ずに返すのは失礼だというきもちもあったし、細かい感想を聞かれたときにやり過ごせる自信もなかった。小心者のくせにこだわりの強いわたしは貸されたブルーレイを見ることも返すこともできないまま、そのうち、引越をすることになった。引越のあれこれでこのブルーレイを失くしてしまう可能性を考えると引越前に全て見終えて返却するのがベストだと思った。

そうして、ブルーレイを貸していただいて、季節が2つくらい巡ってから、星から来たあなたを見始めた。きちんと最後まで見て、引越前にお返しすることに成功したが、正直内容はよく覚えていない。

韓国の方はお顔の判別がなかなかつかず、お洋服や髪型で判別したりしていたのだが、当然ドラマの中でも時間は経過していくので、日にちが変わったり、あるいはシーンが変わったりすると当然お洋服や髪型も変わる。そうすると、もう誰が誰だかわからなくなってしまった。そのうえ、たぶん韓国語の作品をまともに見るのも初めてで、韓国の方のお名前にも馴染みがないから覚えられないし、何を言っているのか1つもわからないから字幕をずっと追わないといけないし、とりあえず「見た」という既成事実を作るためだけにヘトヘトになりながら毎日見ていた。

それ以来、韓国ドラマは見ていなかったのだが、アマプラで「男と女」と「レイトオータム」という映画を見て、めちゃくちゃに心を揺さぶられた。どちらもだいすきな映画になったのだが、とにかく、男と女のコン・ユさん。とにかくコン・ユさん。みんなだいすきコン・ユさん。かっこいいやんけ!このお背中はそこのみにて光輝く綾野剛のお背中に匹敵するやんけ!そう思った。わたしは所詮そういう女。

その話を、前述の職場の送別会で話した。そうしたら、星から来たあなたを貸してくれたOさんもその場にいて「コーヒープリンス1号店とよく奢ってくれる綺麗なお姉さん見て!あとトッケビとビッグにもコン・ユ出てるから見て!」と勧められた。そのときわたしはしこたま酒を飲んで酔っ払っていたのでへらへらと「わかりました!それじゃとりあえずアマプラかHuluにないか検索します!アッ!アマプラ!アマプラでは無料で見られないけどレンタルしているみたいですね!じゃあひとまずクリップさせていただきます!」と社交辞令を連発してその話題は終わった。

そして無職になったころ、スーツを見終え、お金はなく、時間だけが有り余っていた。コン・ユさんのことはすきになれており、コーヒープリンス1号店がアマプラに来ていた。Oさんやその他の韓国好きのひとたちと次にお会いしたときの話のタネになればいいやという軽いきもちで思って見始めたのだが、日本のドラマでは考えにくい現実離れしたミラクル設定やジェットコースターのようなドラマチックすぎる強引な展開にすっかりハマってしまったのである。なによりドラマに出てくる韓国の男はだいたいみんな背が高いし背中が広いし筋肉がまぶしい。すごい。みんなかっこいい。

こうして、すっかり韓国ドラマの奴隷になった無職は2日に1本見終えるハイペースでどんどんドラマを見ている。コーヒープリンス1号店に始まり、ステキな片思い(チョンイルさんをすきになる)、ビッグ、会いたい、プロデューサー(キムスヒョンさんをすきになり星から来たあなたを見返したいきもちが芽生える。今なら絶対にたのしめる)、トッケビ 、君の声が聞こえる(イジョンソクさんをすきになる)、ある春の夜に(チョンヘインさんをすきになる)、青春時代1・2。そして昨日アビスを見終え(アンヒョソプさんをすきになる)、今は恋のゴールドメダルを見ている。もともと綾野剛さんがだいすきで、ほんとうにだいすきで、どちらかと言うと薄めのお顔立ちで、自分の魅せ方がお上手な雰囲気のある男に魅力を感じてしまうところがあったので、韓国の男をすきになる性質は持ってしまっているはずだと思っていたのだが予想的中だった。星から来たあなたを見ていたころは「韓国語の響きがすきじゃない」と思っていたのだが、1日何時間も韓国ドラマを見ていたら日本語の発音と似ている言葉があることに気づき、それを見つけるのがたのしいきもちと、「パリパリ〜」とか「カジャカジャ〜」とか「オレオレ〜」とかかわいい言葉を見つけるのがたのしいきもちになれるようになれた。

なにもかも全てわたしに星から来たあなたを貸してくれて、コーヒープリンス1号店を勧めてくれたOさんのおかげ。最初はあんなに受け入れられなくて、苦痛だ、苦行だとすら思っていたのに。今はOさんに会いたい。このきもちを分かち合いたい。

さて5時である