2123 - 父が若いころ暮らした街

2017年。ことしの春は1年暮らした高円寺から、父が若いころ暮らした街で暮らすことにした。物件を探す際、この街が「父が若いころ暮らした街」というのは知らず、じぶんが出せる家賃で人間らしい部屋に住むには、と都心から一駅ずつ離れていき妥協できる街がたまたま父が若いころ暮らした街だった。

部屋自体が半地下っぽくなっているところが気に入った。けれど収納らしい収納は皆無だし、デザイン性第一の照明のせいで夜は部屋が薄暗い。幹線道路に面したアパートは深夜まで車通りが多く、夜中はパトカーや救急車のサイレンの音にびっくりすることがある。

それでも、駅前が生まれ育った札幌の、東西線新さっぽろ駅のDUOを彷彿とする雰囲気があって良い。アパートの周りには、駐車場も広く店内の通路も広い薬局やスーパーがあって良い。急行に乗れば新宿まで20分くらいでつく。ほどよい田舎っぽさがある。ここで何年か暮らすのだ。この暮らしに向けて、新宿のニトリに行ったら店内は親子連れや恋人たちで溢れていて、ひとりで真剣に食器を選んだり便座カバーを選んだりするのはほんとうに戦いだった。でもすごくすてきな作業だと思った。